国際社会から厳しい経済制裁を科されている北朝鮮。輸出だけでなく、ガソリンなどの石油製品の輸入も厳しく制限されている。2017年12月に国連安全保障理事会で満場一致で採択された制裁決議「2397号」は、石油製品を50万バレル以下しか北朝鮮に輸出してはならないと定めた。2016年に比べ90%近い削減。金正恩政権にとっては大きな打撃であった。北朝鮮国内のガソリン価格はすぐに上昇した。2018年に入ると、一時、1リットル当たり300円超に跳ね上がった。ところがそれから半年後、ガソリン価格は、徐々に下がり始めた。今年4月後半は、1リットル当たり140円程度で安定推移している。中国やロシアから、制限量を超えるガソリンが搬入されているためだと思われる。ところが、この方式のガソリン密輸は、2019年2月末頃に中断してしまったという。中国が取り締まりを強化したためだ。また、4月に入ってから、ガソリンや軽油を専門的に密輸してきた吉林省の女性業者3人が逮捕され、刑務所に収監されたという報告も入って来ている。