福沢諭吉が世襲身分制度をいかに憎んでいたかが、伝わってくる。「門閥制度は親の仇でござる」。門閥すなわち家柄ですべてが決まった幕藩時代を振り返り、残した言葉だ。
9月に自民党総裁選の立候補が取りざたされる安倍晋三、石破茂、野田聖子、岸田文雄の各氏は2世、3世ばかり。
そういえばもう長いこと、世襲でない自民党総裁を見ていない。衆院小選挙区で当選した自民党の世襲議員は3割を上回る。
「もはや国民政策ではなく、何とか家、何とか家、、、の党になってしまう。特定の家が地域の人々を代弁するなんて、まるで江戸時代です」と大岡衆院議員が言う。世襲の問題点は、優れた人材がはじき出されてしまうことだ。